休校

不気味な拡がり見せる第二波に未だ中止の案内多く。折角の役職も出番少なくては...と寄せられる同情。別の座でも狙って全市的な知名度を得んとするなら話は別も、んな野心なくば目立たぬに限る。元来、怠惰な性分にて仕事に追われずと余暇は多いに越したことなく。久々に歯科衛生士による口腔ケアの予約を入れた。こちらは選べれど向こうは選べぬ。不安募る職場への同情寄せれば「どこも同じですから」と爽やかな笑顔で返してくれた。

仮に「らしき」症状が現れたとして検査を受けるべきか否か。相手の為、そして自らの為と知りつつもそこに躊躇ないかと問われれば。議長といえどドブ板の陳情が絶えず。呼ばれてなんぼの世界だけに本来は喜ぶべきも内心は些か複雑。君子危うきに近寄らず、と申しても人を疑っていては役目を果たせず、それを理由に面会を拒絶しては仕事が成り立たぬ、というか肝心の票を失いかねず。まぁ、そもそもに君子などとは程遠く。万が一の際の非を事前に詫びれば「おたがいさま」と相手。

が、いざ事態に陥らば、同情の余地なくまずはこちらが諸悪の権化が如く袋叩きに遭うは必定。自らの軽率な行動、不摂生が招いた結果であれば当然の報いも不可抗力というか知らぬ間の不運なんてのもある訳で。罪を憎んで人を憎まず、だからとて犯罪者が無罪放免なんてことはありえぬのだけれども。疑わしきは検査と藪から棒に推奨してみても独房に釈放を待つ日々。「濃厚」と思しき接触者追わば際限なく、必要以上に煽られる不安は社会的な損失となりかねず。とすればあえて「せぬ」選択肢とて...。

袋叩きにて済まぬがこちら。隣の担任の姿が見えぬ。体調不良による欠勤も数日続けば脳裏よぎるは。ざわつく児童生徒に気をもむ保護者。「何故に検査を受けんのか」との声に対処すべき最善策は。教諭への感染に市内小学校の臨時休校と聞いた。やむなき措置といえど、その後の後遺症は小さからず、都度の休校となるは代償大きすぎはしまいか。目が向きがちな感染リスクのみならず、そこに失われる機会損失の被害も抑える努力は怠らぬよう。

波風嫌う役所にあって他の後塵を拝すは不名誉にあらず、当事者たちの期待を裏切って隣市に追随することはあるまいなと案じていたのだけれども中止ならぬ開催を決断したとの報告を受けた。元々会場の物理的制約に全区一同は困難にて従来の二部制から三部制に一回の規模を縮小しての実施。その分、こちらの挨拶の回数も増えるのだけれどもその位の労は厭わぬ訳で。来年の「成人の日を祝うつどい」の決行に向けて進む庁内準備。

そう、近年はバッチを介さずと誠実に対応して下さることも少なくなく、ドブ板の陳情主とてそんな理不尽な依頼は持ち込まぬ。否定的な先入観に何とか取り下げ願おうとの職員の肚の内は知らず相手に見透かされてしまうもの、解釈の余地を残すものに情状酌量を何とかと。結論は同じかもしれぬ、が、どうせ腐心するならば相手に寄り添うというか喜ばれる方向で知恵絞るが利口ってもんで。

マスク不足に自らの製造ラインを量産に充てた発想の転換、自動車会社の決断に学ぶべき側面はないか。

(令和2年7月15日/2582回)