二歩

地元の御隠居族が芝刈りに出かけたと目撃者に聞いた。出発は朝の五時半、泊まりの遠征だとか。人目を忍んで行くにせよそんな噂は広まりやすく、私の為に本チャンの日程を避けて...んな訳ないか。ちなみに芝刈りはゴルフの隠語。
風吹かずとも善戦の地方選に対して惨敗の国政。候補者の当選に向けて続々と投入される「大物」。口コミ効果が話題を呼んで宣伝にはなるんだろうけど、それが自らに繋がるかは別、そんな御利益にあやからずとも自ら歩いて稼いだ票に勝るものなく。おらが地元とて投入される大物は私ならぬ期待の新人に向けられたもの。こちとら行かず不都合なくも送られてくる出欠の確認。
大物たるものんな些細なことに目くじら立てぬ(はず)と信じつつも意外とそんなところは神経質だったりもするもので、出席に小さい丸を付けて返信すれば「(応援は)新人に限る」と。名を覚えてもらうに候補複数が重なっては紛らわしい。そりゃそれで納得なれど大物が来るとあっては恥じぬ原稿を用意せにゃならんとかけし手間。直前に御辞退をなどと言われるならばハナから出欠の意向など聞かぬほうが...。
そうそう、いつぞやの大物の時なんぞもこちとら分を弁えて台下に陣取りしもその位置ではタスキに記された名前が見えぬゆえ二歩前にとの指示にそこまでしてこちらの名を宣伝されずと結構と途中退席...出来るはずもなく、「長官」とあらば(貴殿の名を)御存知のはずもあくまでも「念の為」との弁明に踏み止まった。
そう、事務所は人の出入りあってなんぼ、さすがに閑古鳥では運も呼べぬ。来るもの拒まずといえど代理が大半を占める中に珍しく本人が行くとの一報があった。さすがに本人とあらば粗相は出来ぬ、後援会長以下に御参集いただいて迎えしはヒゲの隊長こと佐藤正久センセイ、現在の役職は外務副大臣也。やはり代理とは違って効果抜群、改選迫る参院選前に随分と株上げた(はず)。
そう、統一地方選の後半戦。前哨戦の余勢を駆って陣中見舞い、と申しても交友狭く特段の贔屓は無いのだけれどもどこぞの候補が苦戦と聞かば協力は惜しまぬ姿勢位は示しておくもので。早速に依頼が舞い込んだ。格は違えど一応胸にバッチはあるゆえ個人演説会における応援弁士ってのが一般的らしいのだけれども「オレは政令市の...」なんてエラそうな態度は逆効果であって他人様の選挙は地味に徹するが利口。
「人見知り著しく見知らぬ地での演説は御辞退申し上げるもそれ以外なら何なりと」と伝えて示されしは選挙カーの同乗ならぬ「運転」。労こそ厭わぬも疎い土地勘に知らぬ道。そんな懸念を伝えれば「何とかなるはず」と示された根拠なき返答にさすがにその位は自らの支援者で賄えぬものかと。雑居ビルの三階、目立たぬ陰鬱な事務所に横たわる運転手と思しき満身創痍の中年男性は見るに忍びず、候補者とウグイス連れて街宣に。
都心とあらば区内に住まわぬビジネスマンが大半にて打てど響かぬ難しさ。が、路地裏に入らばちゃんと有権者は居る訳で。選挙カーの運転席から目で見て肌で知る候補者の評価は正直。深夜に「おかげさまで」と吉報が届いた。
(平成31年4月25日/2495回)

川崎市議会議員 山崎なおふみ

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