合葬

蝋燭の火を付けかえてそろりそろりと。御先祖様が宿る火は消さぬように...と。代々の家じゃあるまいに墓の大小が家柄を左右するもんでもないけれども数年前に相手の事情で郊外に移転した際に随分と小さくなった。が、田んぼのど真ん中ゆえ眠るには好都合かも。
死せば何も残らぬ、自然に還るだけだから地獄の閻魔大王など業界の陰謀ではあるまいかと疎んでみるも信心深い性分にて積善の家に余慶ありと聞けば粗末に出来ん訳で。今あるは御先祖様の功徳の賜物、そりゃ当然の責務にて私は厭わぬも子の代となるとどうか。が、そんな悩みは私だけではないらしく30年後位迄に無縁化する可能性があると回答した市営霊園の利用者は67%だとか。
未だ墓が見つからずに遺骨が仏壇に置かれていて...と「特別な」御遺族から相談があって、早く成仏してもらわねば報われぬ、退屈しのぎの話し相手になどと勝手な都合であちらに呼び出されてはかなわんゆえ墓の一つ位は何とかせぬかと市の担当者を「脅した」のだけれどもあくまでも抽選とにべもなく。おい、幽霊に会っても知らんからナ。
返還された墓所の再募集なんてのは不動産の事故物件のようでどことなく落ち着かぬ気がせぬでもないのだけれども抽選倍率は5倍ならぬ50倍だそうで。川崎市霊園整備計画の説明を受けた。本市にはJR南武線の津田山駅前の緑ヶ丘霊園とおらが区の里山残るエリアに早野聖地公園があって墓所数で3万8千基を有する。
緑ヶ丘霊園はほぼ全体の整備が完了しており、現在は改葬等により返還された墓所の再募集のみ。一方の早野聖地公園のほうはかなりの余裕があるものの更なる整備には用地買収を伴うだけに管理料の余剰なくば...。今後、概ね10年間に市営霊園の需要を1万9千基とされていて、人口が150万人を突破したなどと騒いでみても転入組ばかりなのだからそちらの更なる需要に繋がりもするであろうし、再募集の50倍はさすがに補欠のようなものなれど、それ以外の平均倍率も3~4倍とあらば何か手立てを講じねば追い付かず。
そう、最近などは一つの墓所に縁者だけでなく他人様を含め、多数の遺骨を一緒に埋蔵する有縁合葬墓なんてのが人気らしく、そちらの利用希望が約6割、管理料など収益面や土地利用を勘案すれば合理的に見えなくもなく。緑ヶ丘霊園などは8千5百分の有縁合葬墓を整備することで既存の墓所からそちらへの移行により生じる返還墓所を新たに再募集して循環を図るとか。
ふ~む、合葬などといえば見知らぬ御仁と一緒にわいわいやれそうな反面、時にプライバシーなどはどうなんだと余計な心配をしてみたり。やはり何々家などとあの墓石があったほうが御先祖様を敬う意識が育まれそうな気がしないでもなく。それも古い価値観か。久々にモーツァルトを聴いたけれどもこの御仁も確か...。
(平成30年1月30日/2408回)

川崎市議会議員 山崎なおふみ

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