殿様商売

出師の表を読んで泣かざるは人にあらず。史記に水滸伝も読んだけど、やはりこれに勝るものなく。受験勉強の合間、というか合間に受験勉強をしていたようなもので台詞までそらんじる横山光輝「三国志」。蒼天既に死す、今まさに立つべしと民衆の蜂起を呼びかけた黄巾の乱が巻頭ならば巻末は劉備亡き後、蜀の命運を託された孔明が五丈原に没する「秋風五丈原」。一葉知秋、散る葉に重なる人生、哀愁の言葉が似合う季節。
自ら植えて手入れが出来ぬとはこれいかに、時節柄、街路樹に関する陳情も少なくない。電線に覆い被さった樹木の枝を見かね、御客様相談の窓口に連絡を入れて実現した現地確認。この位であれば大丈夫と言いたげな担当者、尚且つ、覆い被さった下の架線は他社のもので...と言いかけて依頼主の雷が落ちた。他社から利用料を徴収しとるんだからそんな無責任な話があるかっと。
こちとら雷神の性格を知るだけに相手が重傷にならぬ前に助け船を出した。「(当該の)雑木林は市有地にて市にやってもらうように私から話すが、そちらからも市に依頼があれば尚結構」と。が、反応鈍く...。事故の賠償云々も殿様商売なのだからその程度の要望位は渋らずに対応すれば会社の信頼回復にも繋がりそうなもんだけどそのへんの機微に疎いというか、何とも惜しい。
で、早速に訪ねたY課長、そもそもにあれは向こうがやることになっていて仮に間違って切断してしまうと被害が甚大ゆえやはり向こうが手配する専門業者に...。互いに譲り合っては物事進まず。本来であればやはりそこで雷なんだけど、ドブ板すら詳細な報告がメールで届く几帳面で堅物、いや、「生真面目な」課長にて忖度を迫るのも忍びず。一端は退却して本庁の上に事情を話せば「何とかする」との返事があって、万が一、現場にやらせる際には拒んだ一件は相手に他意なく、咎めることなきようくれぐれも扱い慎重にと言葉を添えた。
役所ってのは法の枠組みで作られた組織だから縦割があるのは当然にせよそちらの論理が優先されると時に不都合が生じることもある訳で。参考までに他の自治体の事例を調べていたんだけど隣の稲城市などは電線の樹木剪定もまずは市の管理課に、とホームページ上に明記されていて、その市民本位の姿勢こそ大事ではないか。
店の勘定とて同じ。今日は私が...、いやオレが...で生じる割り勘と誰かが支払うに違いないと様子見合った結果の割り勘では全く違う。そもそもにそんなくだらん人物に相手を付き合わせる以上、自らの負担は当然であって、たかだか、それっぽっちで損得を騒いどるようでは真の友情は結べぬ。やはり糊代(のりしろ)の部分には重複がなければ。
そう、御自宅の敷地内に敷設された市の配管からの漏水で困っているとの相談があって、本来であれば上水か下水か、下水ならば雨水か汚水かで担当が異なるからそのへんを明確にした上で所管課に依頼をせねばならんのだけれどもいづれも市役所の部署であることには変わりなく、水道局の陰の局長こと信頼厚いNさんに話をすれば二つ返事で「任せてくれ」と。殿様商売であればこそ逆に腰は低く、対応は迅速を旨とし、融通が利かねば...。
(平成29年10月1日/2382回)

川崎市議会議員 山崎なおふみ

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