井田乃里

市内の長寿福祉会が創立五十周年を迎えたということで、祝賀式典の御案内をいただいた。この長寿福祉会が運営する長寿保育園はおらが柿生の鈴保福祉会が運営する柿生保育園と並んで地元の篤志家が私財を投じて設立した由緒ある名門保育園。私の選挙区外なのだが、それは何ともめでたいということで地元の予定を何とかやりくりして伺った。
行政関係者は副市長。これは市長の代理ということで違和感はないものの、市議会の関係者は私一人。議長もいなければ副議長もおらず、そう、あれだけマメな活動で有名な地元の田中和徳代議士さえもその姿がない。ちゃんと案内状は届いた(はずだ)よナと確認してしまった。
新人研修は正副団長の仕事だが、当時、市議団の団長はNセンセイ。勝手が分からぬもんだから質問原稿なども念の為、あくまでも念の為に「確認」に行くのだが、これが何故か赤ペンでびっしり。元の原稿が跡形もなく...これじゃまるで別物ぢゃないか。内容だって決して他に見劣りするものじゃないはずなんだけど...。そんなNセンセイこそ長寿福祉会の理事長(当時)であって当時から園庭の話は随分聞かされた。
園庭こそ認可保育園の証。園庭がない保育園は認めんと頑なだった。さすがに雑居ビルはマズいけどその条件が参入障壁を高くしているのであれば広く門戸を開放して競争を促したほうが利用者にメリットがありそうだけど...。それじゃセンセイのところみたいに地元の御大尽しか作れんし、何よりもそれにこだわり過ぎては需要に適応できんじゃないか。なんてことは言えなかったけど、それも時代の流れか最近は近所の公園の利用を前提に認可保育園の設立が認められるようになった。
で、もう一つのこだわりは株式会社の参入。社会福祉法人と株式会社ではそもそもの理念が違うと。向こうは利益至上主義だが、こちらは子供たちに豊かな情緒、健やかな成長を求めているんだと、そんな話も随分聞かされた。確かに創設者の理念が継承されるこちらの保育園では子供たちへの愛情がひしひしと伝わって来るものの、こんな御時世だから利用者の中にはそんな理念以上に「預かってくれさえすればいい」、そこで働く保育士も「それなりの給料が貰えさえすればいい」、で、運営者も「儲かればいい」と。
そんな時代の風潮を憂慮されていたセンセイも数年前に他界された。ただでさえ家庭での温もりが薄れがちなその園児たちがどんな大人に成長するんだろうと危惧しているんだけど、そのへんは数字に見えるものじゃないからナ。赤ペンのみならずメシも随分御馳走になったから葬儀も参列して「丁重に」御焼香をさせていただいたつもりなのだが、今回の案内が私「だけ」ってのはもしや...何やら狐につままれたような。

川崎市議会議員 山崎なおふみ

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