待機児童

そろそろ選挙公約なんかも目に触れる頃だが、市長公約と同じ内容を宣伝しておけば間違いない。そんな候補者でいいのか。市長と言い分が同じでは議員不要論も当然。その目玉公約「待機児童ゼロ」。
そもそもに待機児童とは保育園に入園したくとも出来ない児童のこと。保育園には「認可」と「認可外」があって「認可」のほうが厳しい制限が課せられる分だけ補助が手厚い。園児1人あたりの平米数や園庭の有無等々。それでは新規の参入障壁が高いではないかとの一方、規制緩和で雑居ビルの狭い部屋に押し込められたのでは保育といえるか、そのせめぎ合いが続く。
以前は「保育に欠ける」、つまりは自ら育てたくとも家庭の事情で育てられない園児に対しての福祉施策だったものが、現在は就労支援に大きく転換。女性の社会進出を促進する為の「重要」施策としてクローズアップされてきた。そして、実際に「旦那の収入では持ち家などは夢のまた夢、稼がねば...」という風潮が助長されてきたのも事実。が、いざ働くとなると誰かが子供の面倒を見ねばならぬ、親元は遠いから保育園に預けて...されど「認可」は定員超過。ということで枠の拡大が図られてきたのだが、「隣が預けられるならウチも」という潜在的な需要が掘り起こされた結果...。
で、全体を俯瞰(この俯瞰ってのが大事なんだけど...)して見れば、およそ10年前は就学前児童数は約7万5千人、内幼稚園の受入枠が2万3千5百で「認可」保育園は約1万2千。で、当時の待機児童は全市で約5百人だから単純に保育園の受入枠をその分だけ拡大すれば解消されそうな気もするが...。直近の実績をみれば就学前児童数8万人に対して内幼稚園の受入枠はほぼ同じだが、保育園は約2万2千人。つまりはここ10年間で1万人の枠を増やしたものの、それでも残る待機児童。
本市の「認可」保育園は園児1人あたり年間の運営費150万円に対して保護者負担は30万円。つまりは残りの120万円が税負担ってこと。保護者負担が軽い「認可」保育園をバンバン作るのが手っ取り早いのだが、財政負担はどうか。いや、それ以上に施策展開に工夫が無い。だって、土地を見つけてニンジン(=補助金)ぶら下げて成り手を募集するだけだから...。園児1人あたり120万円として1万人の枠拡大、それだけで年間120億円の負担増。事実、10年前に比べてその位は増えた。ならば家庭保育を前提に40万円を支給したほうが全体のコストは割安ではないか。
まぁ事はそう単純でも無いのだが、それは介護も同じ。施設の場合は利用料以上の負担が税金ないしは保険料で賄われるのだからなるべく「自助」を促すような仕組みを模索していかねば制度はいつか行き詰る。現金支給にあらずとも本市が課税権を有する固定資産税の減免など、ここらあたりで発想を転換して、政策誘導的な視点での税の軽減を模索してみてはどうか。

川崎市議会議員 山崎なおふみ

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