2024.03.14 20:55盲信たまには顔を、との声受けて訪ねるに農作業の小休憩と重なり。茶に添えられるは韓国風の海苔巻きとたくあん。どうぞ手を付けて、と言われてほおばるに口に余韻残るは、にがみ。菜花ならぬ蕗の薹か、春だナ。久々に同席したピアニストにぶつけるはかねての疑問。アルゲリッチを聴くべきか。往年は言わずもがなも、今や「それなり」の年齢となられ。老いて醜態を晒す位...
2024.03.09 20:55烙印贔屓の作家の訃報を「最近」知るに手にした一冊。最愛の妻を失いし失意の中にふてくされる主人公がその人との邂逅を通して日常を取り戻していく。「いねむり先生」と申してもどこぞの市議の話にあらず。そう、坊や哲、その人にてこの御仁の作品もほぼすべからく。多くの思い出残し学び舎に別れ告げるに快く見送るが在校生。せめてそんな時位は。歴史に残る一戦を交え...
2024.03.04 20:55二兎イップス、などと高校生に笑われるは心外、今に見ておれ、目にものを、と意気込めどもこればかりはランと違って「いつでも」「どこでも」とはいかず。照明まぶしき練習場に、夜の八時以降にスーツ姿で現れて、格好そのままにワイシャツの袖をまくり上げ、眉間に皺寄せて振っているバカがいたら、私。それでいて刻一刻と迫る予選会にランの練習量とて減らす訳にいかず...
2024.02.28 20:55閏年欠席の同級生に給食のパンを届けるようなもの。どうせ帰路の途中であるし、その位は私が、と請け負いて目にするは、昭和の長屋が如き住まいに肩寄せ合って暮らす家族。わざわざ御足労を、どうぞ上がって夕食でも、と。届けるは当時の議長、自宅に迎えるは市の職員なれど、そんな厚意に甘えるべきか否か。逡巡の末、居間に上がりし当人の為に幼子が自らの席を譲ってく...
2024.02.24 20:55主菜コース料理に同じ。まずは前菜、一皿、二皿続いて主菜となるべきも。主菜二つを並べしシェフ、ならぬマエストロの意図。一つは「田園」、そう、誰しもが一度は聴いたあの曲、ベートーヴェンの交響曲第六番。そして、もう一つの主菜。当時、それが二十世紀屈指の名曲とはにわかに信じがたく、演奏時間が長からぬのがせめてもの救い、不協和音にしか。バレエ音楽を源流...
2024.02.19 20:55大人罪状によらば、質問書の案文など議員の質問に資する文章を作成し、その情報を議員に提供した、その回数述べ十四回云々と。将来を目されし人物の栄光と挫折。調査対象が別ならば私だって。というか、市長の関与をにおわせたあのメモの流出こそ本命。あとはおまけか。ただでさえ尾ひれ付きがちなその手の話にあって、追い詰めるにはちと。紛糾の委員会に再調査を約束さ...
2024.02.14 23:32五番狙い夜に定めるは盗人に限らず。人目を避けんとするに。いや、こちとら人目は気にせず、たまたまそこしか。本来の専門はこちらにて、んな日に百球なんぞ。夜ランの途中に前方に浮かび上がる人影。後頭部、いや、失礼、あの背格好はその人しか。腕の振り見れば本人はランのつもりかもしれぬ、が、どう見ても。こちらのペースを落とさば必ず。無視は失礼、追い越し際に...
2024.02.10 11:35軍曹静脈ならぬ動脈、それも「大」付かば死因に聞くこと往々。ちょうど一年前、倒れて昏睡のまま生死の淵をさまようこと数日。九死に一生、奇跡の生還を遂げた理由や。関係や知らぬ、が、病床にて手を握るは看護婦。若い女性に寄り添われ往生を遂げるも一興。もはやこれまで、と遠のく意識に届くは必死に呼びかけるその声、いや握力に。あくまでも本人談にて。人を成長さ...
2024.02.04 20:55誤解成績が足りぬ、とあらば口は挟まぬ。が、劣らぬどころか上位を占めるというに下位のクラスに編入されるは納得いかぬ、と怒髪天を衝く勢いの妻。才人は回りを気にせぬもので、周囲に左右されるなんぞは恥と知るべし、むしろ他人に好影響を与えてこそ、と言い含め。そう、子が通う学習塾の話。さて、今日の話題や久方ぶりに手帳を埋める新年会。内輪の親睦を深めるは大...
2024.01.30 20:55部活そう、昨年、実家の貸家を一つ処分したのだけど、その額を知るに。んな話を大学時代の友人に話さば、悩みは同じ、売れるだけマシ、当方の実家なんぞは無償とて買い手がつかぬ。何せ隣家まで三キロの農道に灯りなく、土地の人にあらねば夜など車の片輪を田んぼに、と。風強き日は沿岸に雪降らず、というか、大雪にはならぬ、というのが通説とされ。冬は北風、海面から...